性病・性感染症について(1)

セックスのお話をするうえで、性病・性感染症の話は避けては通れません。

性病は怖い、恐ろしいと感じている方も多いと思います。

また、ちゃんと注意していれば大丈夫と考えている方もいるかと思います。

しかし、性病はどうして感染するのか、どんな症状が起きるのか、ちゃんと理解している方は少ないでしょう。

ここでは、代表的な性病・性感染症をご紹介いたします。

性病・性感染症ってなに?

性感染症(性行為感染症)とは、性行為(セックスに限らず、ペッティングやディープキス、オーラルセックス、アナルセックスを含む性行為全般)によって感染する病気で、英語の「Sexually Transmitted Disease」や「Sesually Transmitted Infection」を省略して「STD」や「STI」と呼ばれており、このサイトでは、性感染症(性行為感染症)の事をSTDと表現します。

また、性病とはSTDのうち、1945年に制定された「性病予防法」に規定された、梅毒淋病軟性下疳鼠径リンパ肉芽腫という4つの疾患の事を言いますが、これら疾患は予防法、治療法が確立し、他のSTDに比べ重要性が低下しているので、現代では性病という表現はあまり使われず、STD(性行為感染症)と言われることの方が多いです。

STDの病原体は、精液、膣分泌液などの体液に含まれており、人体の粘膜や傷口から侵入することが多いです。

傷の無い、健康な皮膚からの感染リスクは大変低いので、STD患者に接触しただけで感染することはほとんどないと言っていいと思います。

STDの疾患は、ウイルスによるもの、細菌によるものなどいろいろあります。

以下、感染源によるSTD疾患をご紹介していきます。

ウイルス性感染症

ウイルスによるSTD疾患をご紹介します。

性器ヘルペス
単純ヘルペスウイルスにより感染するSTD疾患。

感染後2~10日間の潜伏期間を経て、性器周辺に水泡ができる。

水泡はほどなく潰れ、痛みを伴う。

潰れて傷になった部分の痛み以外にも患部近くの神経麻痺を起す可能性があり、排尿障害や排便障害を引き起こす。
尖圭コンジローマ
ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)により感染するSTD疾患。

1~2か月の潜伏期間を経て、陰茎、亀頭、陰嚢、肛門、小陰唇、大陰唇、膣内、大腿などにイボを整形する。

痛みや痒みなどはないが、次々と新しいイボが増殖していく。

感染しても免疫力により無病状のまま自然治癒してしまう事が多いので、感染に気が付きにくい。

女性の場合、HPV感染により、子宮頚ガンになる事があるので、注意が必要。
B型肝炎
B型観戦ウイルス(HBV)に感染することで発病するウイルス性肝炎。

感染は血液を介して行われ、性行為の他、輸血、臓器移植、覚せい剤注射の回し打ちなどに原因がある。

また、母体から胎児に感染する母子感染も報告されている。

感染した場合、多くは無症状で経過するが、20~30%の割合で急性肝炎を発病し、1~2%が劇症肝炎となる。
後天性免疫不全症候群(AIDS)
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染により、免疫細胞が破壊され、後天的に免疫不全を起こす疾患。

感染後5~10年と長い無病状期を経て発病し、身体的に免疫力低下病状を呈す。

最初は、全身の倦怠感、体重の減少、慢性的な下痢、帯状疱疹、めまい、口内炎、発熱などが起こり、また顔面から全身にかけて脂漏性皮膚炎などを発症する事もある。

その後、免疫細胞の減少により、通常健康な状態では感染症が起きない病原体による感染症(日和見感染)を発症し、ニューモシスチス肺炎(カリニ肺炎)、カポジ肉腫、悪性リンパ腫などの悪性腫瘍などを発病していく。

HIVは非常に弱いウイルスなので、感染者と接触しただけで感染することは、まずないと思ってもよい。

主な感染ルートは、性行為、輸血、覚せい剤注射の回し打ち、母子感染などである。

性行為による感染では、性分泌液への接触が主な感染原因であるが、コンドームの着用がHIV感染の有効な予防措置と言われている。

オーラルセックスの場合、口内の微小な傷に精液など性分泌物が接触することで血液中にHIVが侵入する恐れがある。
成人T細胞白血病(ALT)
腫瘍ウイルスであるHTLV-1の感染を原因とする白血病、悪性リンパ腫。

感染原因として、性行為、輸血、授乳がある。

HTLV-1の感染者は日本、特に九州地区が多く、他にはカリブ海沿岸、中央アフリカ、南米などにみられるだけである。

このウイルスのキャリアは日本全国で100万人以上いると見られ、毎年600~700人程度が発病している。

細菌性感染症

細菌によるSTD疾患をご紹介します。

梅毒
梅毒トレポネーマの感染により発病するSTD疾患。

15世紀後半から記録が残るほど、古くから知られているSTD。

主に性行為、オーラルセックスにより感染し、病原体が皮膚や粘膜の微細な傷口から侵入し血液中に進む。

病状は第1期~第4期に分類される。

第1期は感染後3週間から3か月後に発症し、細菌が侵入した部分にしこり、塊ができ、股の付け根のリンパ節が腫れる。

第2期は感染後3か月から3年後に発症し、全身のリンパ節が腫れ、発熱、倦怠感、関節痛が出る。

また、バラ疹と呼ばれる特徴的な赤い発疹が全身に現れる。

この赤い発疹が梅の花のように見えることから日本では梅毒と呼ばれている。

その後潜伏期間を経て、皮膚や筋肉、骨にゴムのような腫瘍ができ(第3期)、多くの臓器に腫瘍が転移し、脳や脊髄、神経を侵される(第4期)

現在は抗生物質による治療法が確立しているので第3期まで病状が進むようなことは、めったに起きない。
淋病
淋菌の感染により発症するSTD疾患。

性行為やオーラルセックスにより感染するが、淋菌は大変弱い菌で患者の粘膜から離れると数時間で死滅する。

感染後数時間から数日で発病し、男性の場合は排尿時や勃起時に激しい痛みを伴い、尿道から粘りけのある海が出る淋菌性尿道炎を発症する。

ほっておくと、前立腺炎や血精液症になる恐れもある。

女性の場合は、子宮頸管炎を発症することがあるが数週間から数か月間まったく自覚症状がなく、気が付かず放置すると淋菌が骨盤内の膜や卵巣、卵管に進み内臓疾患、不妊症、子宮外妊娠に発展することもある。

治療法としては、抗生物質の投与が有効で、医師の処方箋に従い服用すれば、完治するが、途中で服用をやめたりすると再び淋菌が勢力を取り戻し再発したり、抗生物質が効かなくなる事もある。
軟性下疳(なんせいげかん)
軟性下疳菌の感染により発症するSTD疾患。

日本での症例は少なく、アフリカや東南アジアに多い。

感染後1~7日の潜伏期間を経て性器に豆粒程度のこぶができる。こぶは潰れて痛みの強い潰瘍となる。


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